ネット選挙のメリット・デメリット
2013年07月11日 16:42
先日のブログで、「パキスタンはネット選挙運動が盛んである」という話をしました。
アメリカや韓国など他の国々でも活用されているネット選挙、日本における導入も間近です。
導入されてから“どんな意味があるの?”とならないように、
「ネット選挙のメリットとデメリットの整理」をしましょう。
▼ネット選挙のメリット
・各党・立候補者のマニフェストの比較が容易
投票の間近になってから慌ててマニフェストに目を通し、
“具体性がある”“自分の考えに合う”といった理由で決定されることが多いかと思います。
ネット選挙が解禁されればマニフェストの比較が容易になり、しっかりとした検討が可能になります。
・無名の政治家も認知度を上げやすい
オバマ大統領がネットをフルに活用して人気を確立していったことは、
近年あげられるネット選挙のなかで最も大きな成功例でしょう。
費用を多く割けないけれども、しかし政治に参入したい!といった熱い思いのある立候補者にとって
ネット選挙は欠かせないツールです。
・立候補者と直接やりとりができる
前回紹介したパキスタンのネット選挙では立候補者のインタビューがオンラインで放送され、
画面の横に設置されたチャットでリアルタイムの会話が可能になっています。
直接のチャットが可能になれば、有権者は疑問をすぐに立候補者へぶつられます。
▼ネット選挙のデメリット
・大手サイト広告枠の奪い合いとなる
もしYahoo!Japanのホームページに選挙ポスターを貼ることができたら、
その広告効果はとてつもなく大きくなりますよね。
ネット選挙が解禁された場合、広告の許容範囲如何によってはネットメディアと政治家のあいだに様々な問題が発生する恐れがあります。
・信ぴょう性の低い情報が流れる
Twitterでは有名人になりすまして“公式アカウント”を開設、本人のふりをして投稿する被害が多数報告されており、
サイバーエージェンの藤田晋さんや作家の村上春樹さんなどが被害を受けています。
このような成りすまし・偽装・サクラの被害はネット選挙でも必ず起きるでしょう。
このように整理してみるとメリットは大きいですが、同様にデメリットも大きいことがわかります。
また、導入の目的は“若い世代の投票率を上げること”なのですが、
有権者の多数は“ネットへの関心がうすい高齢者”なので、ここでも普及における矛盾が生じています。
以上の問題を内在しているネット選挙はどのように実施されていくのかは大変、興味深いところではないでしょうか。